海外製プレス機を購入する際の注意点!
油圧成形機の豆知識
最近ではインターネットの発達により海外の情報が入手できるようになり、
海外製プレス機の購入検討をされるお客様も増えております。
弊社も台湾工場で製作する弊社ブランドの機械を約20年、計500台以上を日本企業様へ販売しております。
そこで今回は海外製プレス機を購入する場合の注意点について少しお話させて頂こうと思います。
🟦安全性の問題
まず、日本人の常識として安全装置の定義としましては『安全装置が故障した場合、機械は必ず停止する』ですが、
海外ではこの常識が通じない装置を多く見てきました。
海外製プレス機の安全装置についていくつかピックアップして紹介致します。
よくある海外製プレス機の安全装置動作
1)非常停止ボタン
・プッシュロック式のボタンを使用していない
・ボタン解除で機械が動き出す
・機械が全停止されない
2)エリアセンサ
・センサーを遮光した時だけ機械が止まり、遮光解除ですぐに動き出す
・断線してもセンサー遮光状態にならない
3)配線条件
・使用部品や電流電圧に対して配線種類が妥当でない(発熱、発火の原因となります)
3つだけ紹介させて頂きましたが、他の安全装置についても多くの危険が存在している可能性があります。
海外製の機械では最低限の安全カテゴリすら守られていない装置も多く存在しますが、
見た目の動作は正常であり配線知識、ラダー知識が無ければ気づく事さえできません。
対策としまして、安全カテゴリを理解している専門業者等に必ず実機と配線図、ラダーの確認を行い、
試運転後に機械を使用することを強く推奨いたします。
🟦機械の強度不足
油圧プレス機は特に大きな力が発生する為、基本的な設計と経験値を合わせて設計する必要があります。
最近では3D強度解析、CAD等の普及により解析結果のみで判断し、設計されている機械が多く、
このような機械は数年で重要部品が破損するケースが数多く発生しております。
この問題は、数年使用してやっと気づく事になります。強度の判断はメーカにより様々ですが、
経験年数が多いメーカを選定し可能であればプレス構造設計を理解している専門業者等に確認を依頼する事をお勧めします。
🟦使用材料と金属処理、熱処理等
使用材料についてメーカに不安がある場合は注文時にミルシート(鋼材の材質を証明する添付書類)
の要求をする事をお勧めします。
また、重要部品に適正な熱処理が行われているかの確認については判断できないと思いますので、
現地(海外)でどのように確認、管理されているかを確認する事をお勧めします。
🟦メッキ処理等
海外製の機械の多くはプレスシリンダ、ピストンに硬質CRメッキ処理がされていません。
硬質CRメッキは耐摩耗性と耐腐食性等の特徴があり日本では常識ですが、要求をしても対応してくれない場合が
多いのが現状です。
🟦日本で入手できない部品の使用
通常入手できない部品や日本メーカ品であっても海外仕様の場合は日本でサポートが受けられない
可能性があります。使用部品については十分な確認を行ってください。
🟦メンテナンス業者の対応
海外製の多くは、メンテナンス体制が確立されていない事が多い為、早急な対応ができず、生産停止となりその期間が
長いことが多いです。又、部品交換で対応できる故障等も全部品を新品交換するなど無駄な費用が発生してしまう。
購入前にメンテナンス体制の確認を十分に行い納得してからの購入をお勧めします。
※上記問題について弊社は全て対応しております。プレス機をご検討の際は岩城工業にご相談ください。
お問い合わせはこちらから:https://www.iwa-ki.com/wpiwk/contact/
株式会社岩城工業