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油圧プレス機の定期点検について

油圧成形機の豆知識 

油圧プレス機は定期的な点検・調整を正しく実施することで20年以上使用することのできる機械ですが、購入後の点検を怠ってしまう会社が多いのも事実です。そこで、今回はプレスメーカーが推奨するプレス機の点検項目と機械を長く使用するために重要なポイントについて説明させて頂きます。

🔶油圧タンクの作動油交換
自動車のオイル交換を定期的に行うのと同じく、機械のオイル交換も定期的(1年に1度)に行う必要があります。
油圧トラブルを抑えるためには作動油の粘度と清潔さを保つことが最も重要であり、作動油に異常がある場合、それらは様々な不具合に繋がります。
作動油に異常が生じる主な要因は、①ゴミや異物 ②空気 ③水 ④温度です。

①ゴミや異物油圧機器のトラブルは作動油にゴミや異物が混入することによって起こるものがほとんどです。油圧機器は高精度な精密機器であるため、作動油中に混入した細かいゴミや異物が油圧機器内に入り込み摺動部を傷つけてしまうと、油圧機器が正しく機能しない状態になってしまいます。結果、プレス機の動作などに不具合が生じます。
②空気空気が多く混入した作動油は白濁してしまいます。白濁した作動油を使用し続けると、キャビテーションによるポンプ音の異常や潤滑不良によってプレス動作に不具合が出ます。
作動油に空気が混入する主な原因は、油圧ポンプの点検不良、長期寿命による回転軸等からの吸い込み、タンクからポンプまでの吸い込み配管の割れや緩みが原因の大半です。
定期的な点検や確認を怠らず、空気が混入しないような配慮が必要になります。
③水作動油に水が混入すると、錆の発生や潤滑不良の原因となります。水混入は直接だけではなく多湿時の水滴発生でも混入されますので定期的な作動油交換が必須となります。
④温度作動油の温度は60℃以上を超えると高温となります。作動油が高温の状態で使用し続けると作動油の劣化につながると同時に粘度も低下してしまいます。一般的に作動油はISOVG38~46を(一般は46)推奨。※数字は粘度を表します。

🔶真空ポンプの作動油交換
真空ポンプは高温になりやすくゴミの混入も多い為、半年に一度の交換を推奨します。また、エクゾーストフィルターも定期的に点検し汚れ具合により交換することをお勧めします。この作業を実施するかしないかで真空ポンプの寿命は大きく変わります。

🔶ピストンラムを清潔に保つ
ピストンラムは油圧プレスの心臓部です。
ラムに傷があるとこの部分からの油漏れやリークによる圧力低下などの不具合が起こりますが、逆にラムに傷が発生しない限り定期的に正しくパッキン交換を行えば機械は半永久的に使用が可能ということです。
ラム摺動部にゴミが蓄積した状態だと摺動部にゴミが入り込んでラムに傷を付ける可能性があるため、毎日の点検内容としてラムの拭き清掃の実施をお勧めします。
プレス機は長年使用するとラムパッキンの劣化、摩耗等によって油漏れが発生することがありますが、その場合は速やかにパッキン交換を行ってください。パッキン交換時は作動油も一緒に交換する事を推奨します。

🔶柱やガイド部を清潔に保つ
油圧プレスが精度よく上下動作する条件として、ガイド精度の維持が必須となります。
4本柱プレスの場合は柱の摺動部、サイドフレームや門型の場合は上下スライド部に異物が混入しないように、また必要に応じて摺動油の塗布を行ってください。一般的にオイレス等でメタルタッチしている場合5年~10年にてメタルの交換を推奨します。※交換時期の目安はプレス機の使用頻度によって異なります。ガイド部の精度が悪くなると上下金型に擦れが生じたり、製品精度の維持が出来なくなる可能性がありますので定期的な点検を推奨いたします。

🔶柱プレスのナット緩み
柱式のプレスは任意にデーライト調整が可能な為、多くのプレスにこの方式がとられていますが、長年の使用によりナットに緩みが生じるため定期的な点検、調整(芯出し作業)が必要となります。
この点検、調整(芯出し作業)は正しく行わないとプレス精度に大きく影響し、最悪の場合は柱の破損に繋がります。
可能であれば専門メーカーに点検・調整の依頼をするか、自社にて点検調整を実施する場合は十分に注意して実施下さい。

🔶上下盤面の平行精度の維持
油圧プレスは大きな圧力を常に盤面で受けている為、長年使用すると盤面に歪みや凹みが発生してしまいます。なので、製品精度のバラツキや不良が多くなってきた場合は平行度の確認を実施下さい。
一般的にはハンダや鉛を盤面上に9カ所以上置き、低い圧力でプレスしてハンダや鉛の厚みを測定し平行度の状況判断をします。傾向を判断するには感圧紙を使用すると良いでしょう。結果が悪い場合は盤面の研磨又は再製作を推奨します。また、熱プレスの場合は断熱板も圧縮しているケースが多い為、熱盤と一緒に交換することをお勧めします。

🔶熱盤の温度補正と各警報設定の確認
熱プレスの場合、温度精度を保ち続ける事が良品を生産する際の重要なポイントとなります。
電熱ヒータは夏と冬では外気温度の影響にて製品が受ける温度に誤差が発生し、長年使用する事によるヒータの劣化も同様となります。上記の温度誤差を調整する為に一般的な温度調節計には温度補正機能がついています。
昇温安定後に製品部の温度を表面温度計等で測定し、定期的に誤差を補正する事を推奨します。
また、生産時に大きく温度が変動した場合には温度警報や断線警報がアラーム表示されるかの確認が必要です。特にヒータ、熱電対、温度調節計、電磁開閉器、SSR等を交換した場合は再度設定を確認してください。

 

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